① アトピー性皮膚炎とは・・・特徴的な分布で慢性的に繰り返すかゆみのある湿疹(皮膚症状)が出る病気です。患者さんの多くは アトピー素因(花粉症・喘息・アトピー性皮膚炎に本人または家族がかかったことがあること。およびIgE抗体を作りやすい素因を持っていること。)を持っています。
皮膚症状は多彩な湿疹病変です。額、眼囲、口囲、くび、肘・膝・手首などの関節周囲、背中やお腹などに出やすく、左右対称性に出ます。乳児期は頭、顔にはじまりしばしば全身に拡大していきます。思春期、成人期になると上半身に皮疹が強い傾向があります。ドライスキンもより顕著になってきます。また、慢性に経過する疾患で、乳児では2ヵ月以上、その他では6ヵ月以上継続するものをいいます。

② 当院での治療方針・・・日本皮膚科学会および厚労省の発表した診断治療ガイドラインに沿って、ステロイド外用剤を中心とした治療を行っています。ステロイド外用剤は皮膚科専門医の指導の下で適切に使用すれば安全に使用できる薬剤です。副作用が生じないように年齢、部位、症状にあわせて適切な外用剤を使います。必要に応じて抗アレルギー剤や保湿剤なども併用します。症状を悪くしないために普段のスキンケアも大切です。また、ダニ、ホコリ、汗、乾燥、心理的ストレス、食物などその人それぞれに増悪因子があります。じっくりと話を聞きながら何が悪いのか患者様とともに考え、指導していきます。必要に応じて検査も行います。慢性の病気ですから、あせらずじっくりと治療していくことが大事です。ステロイドを使用したくない方はまずはよく話を伺ってから治療方針を考えます。